★本ブログへのご意見・ご感想などは giverprojectjapan@gmail.com までどうぞ。


2011年1月20日木曜日

大人のブッククラブ①

以下は、新評論の新刊案内に掲載された記事の転載です。


★全国に感動の輪を広げている傑作小説『ギヴァー』。「読むことの教え方」を実践的に説いた『リーディング・ワークショップ』。この二冊の話題書の主題をむすぶ試みを、RWの実践に取り組んでおられる小学校教員の広木敬子さんに、二回にわたり綴っていただきます。


 小学校などの教員有志を中心に結成された私たちリーディング・ワークショップ(以下RW)・チームでは、従来の国語の授業の枠組みを飛び出し、子どもたちがもっと「読む」ことが好きになり、自立した学び手となれるよう支える「ワークショップ型」の授業づくりに取り組んでいます。

 授業の形の一つに「ブッククラブ(以下BC)」があります。教室が少人数のグループに分かれ、①読んでいる本について語り合い、②討議を通じて本から新たな意味をひきだし、③自分とは異なる多様な意見に真摯に耳を傾ける、というものです。

 このBCで生き生きと話し合い、時間がいくらあっても足りないくらい夢中になっている子どもたちの姿を私たちは知っています。この子どもたちの喜びをしっかりと捉え、BCのよりよい進め方や楽しみ方を模索していくために、私たちRWチームでは定期的に、自分たちも「読む」ことについて考えをより深める場として「大人のBC」を開催しています。

 選書は、教員自身が読みを深めておいてBCの授業ですぐに使えるように、子どもたちが好きな本や子どもたちに読ませたい本を優先的に選ぶことにしています。この大人BCで最初に選ばれた本が『ギヴァー』でした。その後、通算四回の大人BCで『ギヴァー』は二度選ばれています。何度読んでも新しい発見があり、その時々の自分に重なる問いを見出せるからです。たとえば生命、平和、自由、平等、愛、感情、家族、人生…『ギヴァー』のテーマはそれほど広く、深いのです。この本には、人生に起こるあらゆる出来事や問題が織り込まれているような気さえします。

 『ギヴァー』をめぐって、大人BCではこんなつぶやきが聞かれました。「二度目は初めての時より新しい読みができた」「苦しいストーリーに思えた。これはエンターテインメントではない、警告の本だ」「読めば読むほど意味が深まってくる」…。子どもたちのBCはだいたい二〇~三〇分間ですが、大人BCは約九〇分間行います。まず①自分の読みのテーマを決め、②時間を決めて一人ずつ自分の読みを話し、③最後は自由に語り合う、というスタイルで行っています。(ひろき・けいこ 横浜市立稲荷台小学校主幹教諭)

★写真キャプション:「大人BC」の模様


以上が掲載記事です。2回目は来月号に掲載されます。

若干、補足しますと、「子どものBCは、20~30分」と書いていますが、広木さんは3年生が担任なので、まだ1回で終わる本しか扱っていないのかもしませんが、4年生以上だと20~30分のを3~5回ぐらい続けてやります。
小学校の高学年以上になると、『ギヴァー』の本も4~7回ぐらいでやります。(分量によって異なり、BCのよさはチームにその分量も含めて、読む計画を任せる点にあります。)このブログで紹介したのは一昨年の小学校6年生も、昨年の高校1年生も、共に4回でやっていました。
本全部をいっしょに話すよりも、部分的に読んで話していく方が、盛り上がりがあるようですし、中身の濃い話し合いができることも多いようです。(話し合う分量が対象にとって適切にした方がいいということだと思います。)

0 件のコメント:

コメントを投稿